1月19日に開催された「調達価格等算定委員会」。業界中の注目を集めた太陽光発電の認定失効が約1,463万kW、14GWを超えたと発表した。
16年6月30日までのFIT認定、約9,622万kW(約315万件)のうち、17年3月31日までに電力会社と接続契約を締結できずに失効したIDは、約1,610万kW(約27万件)。失効IDの実に90%を太陽光発電が占めることになった。
ただし、16年7月1日から17年3月31日までに新規認定を受けた約376万kWの動向はまだ不透明だ。例外的に認定日翌日から、9ヶ月以内の接続契約が認められており、契約いかんによって、失効IDはさらに増える可能性がある。
なお、住宅用PVの失効状況については未調査である。
未稼働認定の一掃によって、新FIT制度に移行したIDは、約7,529万kW(約88万件)。そのうち、FIT制度前の導入量約90万kW、さらに稼働済み太陽光発電(12年7月〜17年3月末)2,875万kWを差し引くと、約4,564万kWもの太陽光発電所がいっせいに動き出す。市場ではそんな予測が飛び交う。
改正FIT法によって、新たに規定された「運転開始期限3年」。この3年縛りによって、17年度から20年度にかけて、年間10GWを超える発電所が一気に吐き出されるかもしれない。年間10GW超えは、導入ピークを記録した15年度(9.8GW、住宅含む)を上回る水準だ。しかも、出力抑制リスクを軽減し、系統接続枠もそれ相応に空くはずと期待が募る。
ところが、マーケットの復活機運とは裏腹に、未稼働IDを一掃しても、系統枠の空押さえまで取り消すことができるとは限らない。
系統枠の取り消し判断はあくまで電力会社任せというのが実情だ。電力会社は認定を失効した事業者に対し、1件ごとに意思確認をしているというが、「認定を再取得して事業化する」と事業者に強弁されれば、系統枠の取り消しは難しい。未稼働IDの失効とともに、国が一歩踏み込まなければ、系統空枠押さえの解消はもはや進まないだろう。
ちなみに、PV以外の失効状況は以下の通り。
風力・約38万kW(710件)。地熱・約0.4万kW(21件)。中小水力・約14万kW(64件)。バイオマス・約95万kW(82件)。