伊藤忠商事は、1,000台を超す一般家庭蓄電池の販売実績を持ち、AI技術を活用したプラットフォーム事業展開する英・モイクサ社(Moixa Energy Holdings)と資本業務提携をした。
今回の提携を通じて、伊藤忠はモイクサ社が持つプラットフォーム技術ソフトウエア(商品名・GridShare)のうち、一般需要家向けサービスとなるGridshare Clientの国内独占販売権を取得。2019年度に迎える住宅用PVのFIT切れによって、増加する蓄電池を併用した太陽光発電電力の自家消費ニーズなどの獲得を目指す。
GridShareとは、AI技術を用いて、発電から送配電、一般需要家といった各階層における顧客向けに、エネルギーの最適制御を行うソフトウエア。2006年設立のモイクサ社は、イギリスを中心に、1,000台を超す一般家庭用蓄電池の販売実績をあげ、Gridshareを活用して複数の蓄電池を群制御し、余剰電力を電力事業者に販売してきた。
分散型エネルギーの最適制御オペレーションをコア事業とし、大手電力会社などと共同で、蓄電池に限らず、家電や電気自動車など、あらゆる機器との接続・連携を目指した実証プロジェクトもイギリス国内で実施中だという。
一方の伊藤忠商事も、分散型電源の基幹システムとなる蓄電池に着目し、2013年に一般家庭用蓄電池ビジネスへと参入。独自ブランドの蓄電システム「Smart Star」は、2017年度末時点で、累計6,000台(55MWh)の販売量を見込んでいる。
また、2019年度より住宅用PVがFIT切れを迎えるため、日本でも、蓄電池を併用した太陽光発電電力の自家消費が増加すると予測。モイクサ社のサービスを使って、気象予報や、ユーザーの電力需要・発電予測などを分析・学習し、蓄電池の最適充放電を行うことで、太陽光発電と蓄電池の効率的な運用を実現していくという。
将来的には、VPP(バーチャルパワープラント)やEVの充電マネジメントなど多様なビジネス展開を実施し、再エネ電源の効率運用や電力供給の安定化を目指す。/p>