洸陽電機は、2016年12月より、沖電管内で高圧需要家向けに電力供給を実施してきたが、低圧の電力調達に目処がたったとして、3月1日から一般家庭向け電力販売をスタートさせる。低圧参入は新電力初となる。
沖縄県は本土との連系線がないため、電力卸取引所(JEPX)が活用できないうえ、化石燃料以外の安定電源(バイオマス発電や水力発電)も少ない。安定的な供給力確保が難しいため、新電力にとって大きな参入障壁となってきた。
しかし、洸陽電機では、2010年に沖縄営業所を開設して以来、省エネルギーのための設備改修工事や、太陽光発電事業などを展開し、県内パートナー企業との協業を進めてきた。こうしたパートナーとの協業によって、沖縄県内でもバイオマス発電や太陽光発電などの電源調達を図り、2016年12月には高圧需要家向けに電力供給をスタートさせる。
さらに、バイオマス発電や太陽光発電などの電源に加え、新たに沖縄電力からの卸供給も活用することで、安定供給の見通しがたったことから、一般家庭向け電力供給にも参入。電気料金は沖電よりも安く設定されている。まず、洸陽電機の最低料金は355円と沖電より10%安い。また使用量によって変動する電力量料金も、120kWhまでなら22.50円と0.1%安く、120kWhから300kWhまでなら27.00円と3.4%安い。さらに、300kWh超であれば28.00円と6.3%安く設定されている。このほか、時間帯別料金プランである生活フィットプランも用意している。
沖縄県は、全国的に低圧電気料金が高いエリアの1つであるが、洸陽電機が新電力として参入することで、「健全な価格競争によって沖縄県の一般家庭に新しい選択肢を提供することにより、電力自由化のメリットを提供したい」と述べている。