池袋から電車で30分。西武鉄道池袋線、小手指駅で降り、そこからさらにバスに揺られること15分ほど。早稲田大学所沢キャンパス正門から100m脇の散策路に「トトロの森」はあった。
森に入り、少し進むと早速看板を発見する。『トトロの森20号地・21号地』。トトロの森は、東京と埼玉にまたがる、東西約11km、南北約4km、面積約3500haにわたって広がる狭山丘陵にある。映画『となりのトトロ』の舞台になったといわれている森だ。
そんなトトロのふるさとを守ろうと、1990年に複数の市民団体が協力して設立したのがトトロのふるさと基金。市民や企業から寄付を募り美しい自然を買い取り、将来に引き継いでいく「ナショナルトラスト」と呼ばれる活動を開始した。翌1991年に「トトロの森1号地」を取得してから、これまでに合計37の森を購入し、保全活動を続けている。
丸紅新電力がスタジオジブリと提携して開発した電気料金プラン「プランG」に乗り換えると、電気代の一部がこのトトロの森のナショナルトラスト活動に使われることになっている。
森は公益財団法人トトロのふるさと基金やボランティアによって、定期的に草刈りや竹林整備などの手入れが行われているそうだ。森の奥へと続く一本道は舗装されていて、思った以上に歩きやすい。舗装路以外も手入れされていることが分かるほど。「原風景を残す。残すというのはなにもしないということではない」という丸紅新電力の西山大輔社長の言葉を思い出す。ある程度、人の手が入ることによってこそ自然は守られるそうだ。そのことを目の当たりにしながら、ゆっくりと来た道を戻る。
トトロの森は狭山丘陵に点在していて、とてもじゃないが一日では回り切れない。森の他にも、博物館や里山民家、映画を見た人ならピンとくるだろう、サツキとメイのお母さんが入院した病院のモデルになった病院もあるそうだ。興味があって足を運ぶ際は、事前にある程度回るエリアを絞ることをオススメしたい。最寄駅も、小手指駅の他に西武球場前駅などがある。
今回、小手指駅を選択したのは、「クロスケの家」と呼ばれる古民家にも行きたかったからだ。トトロのふるさと基金の活動拠点でもあり、築100年を超える貴重な文化財でもある。なにより名前が素敵だ。
トトロの森20・21号地から、15分ほど歩いてようやく建物が見えてきた。可愛い看板が出迎えてくれる。すでに先客が何組かいて、思い思いに写真を撮っている。小さな子供を連れた家族も多い。カップルも何組かいた。古民家の一階部分で座っている巨大トトロが一番人気だ。クロスケの家には入ることもでき、なかでトトログッズも売っている。グッズ代はトトロの森を守る活動に使用されるとのこと。缶バッジを2つ買って帰った。
丸紅新電力のプランGはプランSより基本料金が100円高い。その100円がトトロの森ナショナルトラスト運動の支援などにあてられるそうだ。少しでも興味のある人は、一度トトロの森へ足を運び、実際に現地を見て、感じ、それから選んでみてもいいかもしれない。