2017年度のZEH補助件数が7,693件となった。16年度のZEH着工件数は3.4万棟と、まだ新築戸建て件数の8%程度にすぎないが、普及スピードは世界最速だ。
そのZEH補助制度が、18年度から経産省・国交省・環境省の3省連携対応となり、枠組みが変わる。これまで経産省が実施してきたZEH補助政策は環境省に引き継がれ、補助額は70万円に。また実施期間は2年間の継続が決まったが、19年度をもってZEH補助は終了する見込みだ。
また、国交省ではZEHの施工経験が乏しい中小工務店への優遇策を実施する。
一方、経産省は新たに「ZEH +」補助制度をスタートさせる方針だ。住宅用太陽光発電のFIT価格は、18年度26円/kWh(指定電力7エリアは28円)、19年度には24円/kWh(26円)に減額されることが決定済み。しかも、住宅用PVもまたFIT制度の終わりが近づきつつある。
そのためPV搭載量が減少し、ZEH基準達成がより困難になることが予測されている。また、FITなしでもZEHが普及すると土壌を育成しなければならない。
そこで経産省ではZEH +という枠組み作り、さらなる省エネを深掘りする方針だ。
また、「20年までに新築注文戸建て住宅の50%超をZEH化させる」という達成時期が迫りつつある。ところが、16年度、ZEHビルダーが設定した自社目標を達成したのは24%。必達にはZEH率の底上げが欠かせない。ZEHロードマップの見直しも含め、普及拡大策を「ZEHロードマップフォローアップ委員会」が検討中だ。その結果は、17年度末にも公開される。
20年度から淘汰の時代を迎えるZEH。6,300社を超えたZEHビルダーの中で、誰が生き残るのか。18年度から競争は激しさを増す。