コラム

風力発電が激変 小型風力 2018年度のFIT価格20円に!? 洋上風力は2020年度にも入札へ

「FIT制度からの自立化は困難」——

こう名指しされた小型風力(20kW)に、2018年度から買取り区分を20kW以上と一体化させ、FIT価格を55円/kWhから、一気に20円/kWhまで減額させる可能性が浮上した。しかも洋上風力には、最短で2020年度からの入札導入論が飛び交う。

1月19日に開催された「調達価格等算定委員会」、風力発電のFIT価格をめぐる議論が終盤を迎えた。

その席上、12万kW、6,400件(17年3月末時点)のFIT認定に対し、5,400kW、339件(17年9月末時点)の導入に止まる20kW未満の小型風力に、18年度から大型風力と買取り区分を一体化させ、FIT価格の大幅引き下げ案が浮上したのだ。

小型風力は、17年度までFIT価格55円/kWhが維持されるも、認定量と導入量の乖離が指摘され、18年度以降のFIT価格のゆくえが注目されていた。

議論の最中、「コストデータは想定値どおりで低減傾向にない」「10円台〜30円/kWhで推移する海外と比較しても、日本は買取り価格も発電コストも高止まりしている」と次々に指摘。

しかも、設備利用率が7.6%(中央値)と想定した16.7%と比べて「著しく低い」。「実績の設備利用率をもとに、投資回収可能なFIT価格を算出すると120円程度になる」と批判が相次ぐ。

結局、「FIT制度からの自立化は困難だ」とされ、「55円という高価格で新規認定をし続けることは適当ではない」「20kW以上の陸上風力と買取り区分を一体化させる」方針が示される。

委員からの反論はなく、20kW未満の買取り区分は廃止される公算が高い。18年度から適用されれば、小型風力のFIT価格は20円/kWhまで大幅減額される見込みだ。

一方、20kW以上の陸上風力は、19年度のFIT価格19円と規定済みであり、20年度の価格が議論される。

まず資本費だが、28.3万円/kW(中央値)で推移。19年度の想定値とした28.2万円とほぼ同水準であるため、20年度も28.2万円が維持される模様だ。

また運転維持費も0.91万円/kWと、0.93万円(19年度)の想定値とほぼ同水準で推移。その一方、系統接続コストの増加が指摘された接続費だったが、1.0万円/kWの想定値と比較しても横ばい傾向が続くと、運転維持費、接続費用いずれも想定値の据え置きが濃厚となった。

ところが、設備利用率は直近(11年〜17年)の実績が中央値で26.8%となり、17年度の想定値、24.8%を上回る。ただし、風況などの気象条件によって変動する稼働率を鑑み、17年度26.8%、16年度24.8%、15年度25.1%の平均値25.6%を採用する方向で最終調整に入った。

仮に、設備利用率が25.6%になると、19円の算定基準となった24.8%より0.8ポイント上昇することになる。マーケットでは「1ポイント稼働率が増加すると1円から2円、FIT価格の引き下げ効果がある」とされており、20kW以上の陸上風力は、20年度のFIT価格が17〜18円になる可能性が出てきた。

洋上風力 最短で2020年度に入札移行か!?

最短で20年度にも入札制度が導入される可能性が出たのが、洋上風力だった。

FIT認定量は、わずか12万kW超しかないものの、導入ポテンシャルが大きい一般海域の海域利用ルールの検討が、内閣府を中心に今、進む。しかも、北東北の募集プロセスには786万kWもの応募が殺到、日本にもようやく洋上風力の開発が現実味を帯びつつある。

しかし、エネ庁は仮に一般海域の海域利用ルールが整備されれば、導入拡大が進み、「国民負担への影響が大きい(マクロインパクトが大きい)」と指摘。

国民負担の増加に危機感を募らすエネ庁は、「一般海域の利用ルールの開始にあわせて、ルールが適用される案件から入札制に移行させる」案を俎上に載せる。そのうえで、「2020年度のFIT価格は今年度の委員会で決定しない」ことで、ほぼ合意を得る。

洋上風力への入札導入が示唆される中、市場からは「世界から1周遅れの日本に、ようやく洋上風力の導入機運が整い始めた途端、引き締めに入るのか」と疑念の声が聞こえる。

また、約12.8GWの認定のうち、8割が破たんするとうわさされた一般木質バイオマスも、封じ込めに躍起だ。認定急増の要因となったパーム油などを液体燃料バイオと別区分化。

さらに、「認定全てが導入される可能性が低いため」、導入量をもとに入札枠を分配することで、18年度の入札量は、液体燃料バイオが20MW、一般木材は180MWになる模様だ。

委員会では液体燃料のさらなる封じ込めが指摘されており、パーム油など液体燃料への厳格化は止まるところを知らない。

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