マンションにお住まいの方なら、
高圧一括受電という選択肢もあります。
平成28年度には、約70万戸(※1)のマンションが導入するとされる高圧一括受電。
気になるその中身とは、電力会社との契約をマンション全体にいったん結び直し、各住戸への電気供給は新電力などが請け負うというもの。
つまり、まとめ買いをすることで、本来なら低圧だった料金メニューが割安な高圧料金へと切り換えられるため、各住戸、あるいは共有部の電気代が安くなるというわけだ。
気になるお値段は、「各住戸なら5%、共有部だと30~40%安くなる」(オリックス電力の細川展久社長)というから検討の価値あり、だろう。
「年間2万戸のペースで増加中」(細川社長)とし、オリックス電力は新築、既存合わせて6万2000戸(2015年3月時点)の実績を持つというから、一括受電の注目度はますます高まっている。
新築なら各住戸を選ぶが、とりわけ既存マンションの場合だと99%が共有部を選択し、電気代削減に成功しているという。
マンションの資産価値をどうやって向上させるか、お悩みの管理組合も多いと思うが、共有部の電気代を下げるこの一括受電が、資産価値向上に一役買っているというわけだ。
一度は検討してみたい手法だが、既存マンションは全戸分の同意なしに、スイッチングはできない。この点には気をつけたいところ。
また切り換えまでのスケジュールも、管理組合での総会や申し込み手続き、受電設備の工事(もちろん費用負担は新電力)を伴うため、平均でも1年がかりの作業となってしまう点も要注意だ。
一括受電サービスを提供してくれるのは、先のオリックス電力のほかに、NTTファシリティーズ、中央電力、JCOMグループのIPパワー・システムズなど。
ただし、エリアや対象住戸数は企業によって違うケースがあるので、検討する際は、一括受電サービスを受けられるマンションなのか、まずはチェックしよう。
※1:経済産業省「平成26年度電源立地推進調整等事業(マンショ高圧一括受電サービスに係る実態調査)より