選ばない、ということが
一番もったいないなって思います
デザイナーにライター、シンガーとして、またある時は環境ナビゲーターと名乗り、様々な〝エコ〞活動を行っている上田マリノさん。
そんな彼女自らが企画し立ち上げた、女性の環境学習と雇用を支援する研究所『ジョシエネLABO』では、リーダーを務め、一般の女性向けに勉強会を開催している。環境以外にも、電力自由化についての講座を行うなど、学びの幅は広い。
なぜ電力自由化を取り上げたのか。上田さんは「選ぶ時の選択肢に、環境という要素も少しは入れて欲しい。環境負荷の低い電気を増やし、そういった電気を選べる社会にしていきたい。けど、そもそも電力自由化についての知識がないと選ぶことすらできない。そこで、自由化について講座を開くことを企画したんです」と経緯を話す。
自由化が始まる4月以降、「選択肢が多くて、情報過多で困っている人もいると思いますが、せっかく電力会社を選べるようになるので、自分のライフスタイルにあった選択を、時間をかけてでもして欲しいですね。そこに環境への思いもあれば嬉しい。選ばない、ということが一番もったいないなって思います」。
上田さん自身もまた、電気の購入先を悩んでいるようだ。環境負荷の低減に加えて、「できれば家の近くで発電しているものや、応援という意味も込めて故郷にお金を還元できる電気を選びたいですね」。私は地元に住んでいるので、結局同じことになるのですが、と笑いながら上田さんは言った。
上田さんは美術大学に在籍中、数多くの作っては捨てられる作品たちに疑問を持ち、環境倫理に興味を持った。卒業後、デザイナーとして活動する一方で、エコアイドルとして講演やエコイベントへ参加するなど、エコの普及活動を始めた。
講演では、「私が環境に興味を持ったきっかけや、こんなに面白いエコ活動があるといったことなどを話しています」と上田さん。『環境意識を0から0.1に』をモットーに、一人でも多くの人に、環境について考えるきっかけを与えたいと、上田さんは思いを語る。
ただ、単純に環境保護だけに偏った考えではいけないとも話す。「エコロジーとエコノミーのバランスが大事。環境保護だけに偏れば人間活動ができないし、人間活動ばかりであれば自分たちの住む場所に悪影響が出ます。ふたつのバランスを取ることが私たちの生きる道だと思います」。